1949-04-05 第5回国会 衆議院 本会議 第12号
從つて反対党たる私どもも國民も、また民主自由党の方々も、当然民主自由党の單独政権ができるものと期待しておつたと思います。
從つて反対党たる私どもも國民も、また民主自由党の方々も、当然民主自由党の單独政権ができるものと期待しておつたと思います。
(拍手) 第三には、今回の総選挙に際し、國民は、連立政権の不安定と弱体を超克するため、民主自由党に絶対多数を與え、安定せる單独政権樹立の意思を表示したにもかかわらず、解散前の不信任案提出者たる民主党の一部を不自然に分裂せしめて連立政権を強行せる行為についても、進んでその所信を國民に説明すべき責任ありと信ずるものであります。
諸君、このことを思うならば、今吉田さんが抱かれておるような、單独政権でなければ不便だなどという、けちくさいりようけんは、目下の状況下においては許されないのです。諸君、私はこの際、吉田さんほどの政治家は、この経済安定の九原則にかんがみ、日本國家の現下置かれたる内外の情勢を達観せられて、すみやかにあなたは政治的の処決をなされなければならぬと思うのであります。
しかも、言うところの民主政治の確立の主要なる内容は、総選挙後の第一党が、たとい絶多数党でなくとも單独政権を担当すべく、連立内閣を排斥するという慣例をつくり上げることにあるもののごとくであります。首相の主張は、原則として二大政党制及び絶対多数党の單独内閣を慣例として來たイギリス型の憲政常道論を前提としてなされたものと思われます。
しかるに、保守單独政権を固執している吉田首相は、一階級の立場にのみ偏し、階級鬪争を激化し、しかも政権獲得のためには、あつかましいほど國民へのこびを賣り、すでに今まで同僚議員が痛撃した公約の破棄を、あえて平然といたしておるのであります。(拍手)このように、党利党略のために不渡手形を濫発して國民大衆を欺き、愚弄し、羊頭を掲げて狗肉を賣るさまは、まことに天下の醜といわざるを得ないのであります。
社会党が連立政権に入つても、單独政権をとりましても、それによつて民主主義革命が、社会党命が完全に行われたとは言へないのであります。こういう点につきましては、残念ながらいわゆる資本家階級を代表なさいます吉田内閣総理大臣と、いわゆる民主勢力を代表する私どもとは、根本的に考え方が違うのでございまして、これ以上答弁を求めましてもやむを得ない。
というのはいろいろ解散論については議論があろうと思うが、民主自由党の單独政権ができてから解散論が唱えられるゆえんの中に、いわゆるこの解散をある意味においては党略あるいは政略的に行うのではなかろうかという疑心を國民の一部が持つておることを私は指摘したいのであります。
さりとて私は單独政権をもつて理想とは確信いたしまするが、しかしながら現下の過渡的にしてかつ変体的な客観情勢下におきましては、連立形体というものもまたやむを得ざる面をも肯定するにやぶさかではありません。